今回は前回に引き続き、脂肪について解説していきたいと思います。
その中でも悪い脂質を避け避けるべく、いったいその脂肪とうはなんなのか?
分かり易く解説していきたいと思います。
多価飽和脂肪酸は心疾患のリスクが上がる
1990年にオランダの研究者が、トランス脂肪酸の摂取は、LDLコレステロール(体にいい)が増え、LDHコレステロール(体に悪い)が減るということに気づきました。
さらに詳しく精査したとろ、トランス脂肪酸の摂取量は2%上昇しただけで、心疾患のリスクが23%も上がることが分かりました。それからは、消費者のほとんどが、トランス脂肪酸を避けるようになりました。
過去には、トランス脂肪酸は飽和脂肪酸と同じ分類になっていました。
しかし、こうしたトランス脂肪酸の悪い点を発見した研究者たちは、飽和脂肪酸とトランス脂肪酸を切り離して考えるようになったのです。飽和脂肪酸に対する認識がそれから変わるようになりました。
「脳卒中」を予防するには動物性脂肪
トランス脂肪酸の認識が変わり始めると、「脂質を多く摂っても害は無い」といわれるようになりました。
看護師健康調査で、14年にわたって8万82人の看護師が追跡調査をされました。この調査では「トランス脂肪酸を取り除けば、脂質の摂取量は、環状性動脈疾患とはそれほど関係ない」と結論づけられました。
食品に含まれるコレステロールは安全だとされました。
日本で5万8432人を対象に14年にわたって行われた、がんと生活習慣に関するコホート研究や、男性医療従事者の疫学研究でも、飽和脂肪酸にはわずかに心疾患の予防効果があると明らかになっています。
それまではトランス脂肪酸の入ったマーガリンは健康に良いとされてきましたが、20年の間で変わりました。そのほかの研究でも多価飽和脂肪酸(植物油)は有益ではないことが分かっています。
一方で、一価不飽和脂肪酸(オリーブ油)は脳卒中に対する予防効果があるとされています。
低脂肪乳より「全乳」のほうが痩せる
ここからは、‘‘脂質‘‘と‘‘肥満‘‘の話をします。
結論から言うと、この2つに関連性はありません。一見すると脂質の摂りすぎは肥満を起こすように見えます。もともと脂質が懸念されていたのは「心疾患」です。肥満というのは、‘‘後から付け足された‘‘ものだったのです。
これは認知的不協和が影響しています。最初は炭水化物は太る、次に、太るのは炭水化物ではなくカロリーである。そして脂質は高カロリーである。これが脂質は太るという風に言われるようになった理由です。
全米コレステロール教育プログラムでも「摂取カロリーの多少に関わらず、食事に含まれる脂質の割合と体重増加には関連性があるという証拠は無い」とされています。
全乳、サワークリーム、チーズは、低脂肪の乳製品よりも有益であるということが分かりました。むしろ太るのを防いでくれるという良い点もあります。
それは、脂質と一緒に他の食品を摂ることで、グルコースの量が減りインスリンの過剰分泌を防いでくれるからです。また、乳製品に含まれる脂肪分は、肥満を予防する効果も含まれています。
ハーバード栄養学の権威も出している結論(まとめ)
ハーバード・公衆衛生大学院のウィルター・ウィレット博士が「脂質は肥満の主要原因か、主要原因ではないか」と題した記事があります。それに記してあるのは、
「西洋諸国において太りすぎている人が多いのは、脂質の多い食事が原因ではない。エネルギー摂取量に占める脂質の割合を減らしても、何ら大きな利点はないばかりか、肥満問題がさらに加速するだけだ。肥満をコントロールして体の健康を改善するために、脂質の総摂取量を減らすことに労力を注ぐのは無駄である」
このように、皆さんの中でも、「低脂質ダイエット」は減量に効果があると思う人も多いかと思います。でも、実際にそのことは間違いだったということは、最近の研究では
いくつも証明されています。それどころか「良い脂質」は健康に良いということも分かりました。
今回説明したように世の中には、まだまだ分からないことが多いと思います。ぜひ、先入観にとらわれずに健康に対して前向きに行動してみてください。
では、具体的にどうしたら太らないカラダが手に入るのかを次からは書いていこうと思います。
皆さんの人生がより、健康で幸せになる役に立てばいいなと思います。ご清聴ありがとうございました。
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