ダイエットをするときに出てくる「たんぱく質」減らせばいいのか?増やせばいいのか問題

健康

前回は、たんぱく質にはインスリンを分泌させ、太らせるという側面と満腹感を起こさせるという2つの側面があるということを説明しました。

皆さんがたんぱく質と聞くと、筋トレをイメージするかと思います。ネットや雑誌では、健康や筋トレの効果を出すためにたんぱく質を摂取しましょうというものをよく目にすると思います。

でも、具体的に何をどのように摂ればいいんだろう?意識的に摂っているのになかなか効果が現れない。そんな悩みを持つ人の役に立つような内容にしていきたいと思います。

普段よく耳にするたんぱく質の情報とは少し違った視点で説明していきたいと思います。

「赤身肉」食べると体重が450g増える!

昔は、肉を食べすぎる太ると思われてきました。肉には、たんぱく質と脂質がたくさん含まれていて高カロリーだからです。でも、最近では、肉には炭水化物が含まれていないから体重が減るとも言われています。

どちらが真実でしょう?その答えは研究により出ています。

1992年にヨーロッパで行われた、がんと栄養に関する大規模コンホート研究で、10か国から52万1448人のボランティアを募り行われました。その調査の結果、肉(赤身、鶏肉、加工肉)は、総カロリー摂取量を調整しても、体重の増加と関連があることが分かりました。

北米で行われた看護師研究調査ⅠとⅡと男性医療従事者の疫学研究の両方から得られたデータだと、加工された赤肉と加工されていない赤肉の両方とも、体重の増加に関連があることが分かりました。

毎日肉を余計に摂取することで、約450g体重が増えました。これは甘いものよりも高い数値です。これにはいくつかの理由があります。

昔は、草で飼育していた牛ですが、今では穀物を使ったり、抗生物質が多量に含まれているようになりました。魚の養殖と同じように肉の質の変化も理由にあると思います。

また、通常、食べ物は丸ごと食べることが最もその栄養が得られるといわれます。例えば、果物でも果汁だけを絞ったジュースなんかは果糖がほとんどです。肉も同様に内臓以外の食用部位のみを食べているという事実があります。

私たちの生活では、内臓肉や軟骨、骨を捨てがちになります。でも、昔は、骨から摂っただし汁、肝臓、腎臓、血液も、すべて人間は食べていました。伝統的な、エスニック料理では、牛の胃、豚のモツ、牛尾、牛タンなどが、今でも食べられています。

特に私たちが好んで食べている内臓肉には脂質よりもたんぱく質が多く含まれています。

「低脂肪牛乳」は体重に関係ない

乳製品を摂ると、インスリン値が増加するという事実があります。でも、大規模な観察研究では、乳製品と体重の増加には繋がりが無いとされています。

スウェーデン・マンモグラフィ・コホート研究では、むしろ乳製品は体重の増加の予防になるといわれています。特に全乳、乳酸品、チーズ、バターなどは、体重の増加予防になることが分かっています。

しかし、「低脂肪牛乳」に関しては、体重の減少に関連はありません。

牛乳やチーズを多く摂っても、4年間で増加した体重は平均で1.5㎏でした。単純計算で1年で375gになります。特にヨーグルトは発酵による効果で体重が減少しています。

「乳製品」と「肉」の大きな違いは1度に食べる量です

大きなステーキやローストチキンはたくさん食べられるが、それと同じ量の乳たんぱく質を摂ることは難しいです。要は牛乳やチーズのような乳たんぱく質はインスリンの分泌を促しますが、そんなに多くの量を摂取できないということです。

低脂肪牛乳や低脂質の肉の摂取は、肉自体の量が多いので、以前と変わらないインスリンの分泌を促してしてしまっているのです。なので、炭水化物の代わりにたんぱく質の量を増やしても、結局インスリンの分泌量は変わらないので体重は増加してしまいます。

砂糖菓子などを減らすのは、減量に大きな効果がありますが、その代わりに間食にお肉を食べてしまって意味がないのです。食事回数が増えることは、インクレチンホルモンによる「予防効果」も減ってしまいます。

食べる量を減らすために満腹感を高める食べ方

動物性たんぱく質は、ものにもよりますが、満腹感を得る肥満予防の効果もあります。インクレチンによる予防効果は特に大切です。

たんぱく質の効果として、胃の運動性が遅くなることで満腹感が増します。そして消化の時間を作ろうとして食事量を減らしたりします。私たちは本能的にそれをやろうとしていて、子供や野生の動物なんかはお腹が空くまで食べなかったりします。

でも、人間はそれを気づかないふりをする習慣ができていて、お腹が空いていなくても時間が来れば食べるようになっています。

減量の為の秘訣

減量に一番早いのは、お腹が空いていないときに「食べない」ことです。お腹が空いていないということは、体が腹が食べるべき時ではないと言っているのです。

1日3食食べなければいけないという概念にこだわり過ぎ、加えて間食をとり続けているとインクレチンによる満腹効果が無くなってしまいます。

他にも、よく一緒にされがちな血糖値の存在ですが、インスリンに影響を及ぼすのはわずか23%ほどです。脂質とたんぱく質においては10%ほどです。では残りの67%は何によるのでしょうか?

そのほとんどは、遺伝によるものです。

よく「炭水化物を摂ると太る」、「カロリーが高いと太る」、「肉は太る」、「糖分は太る」といいますが、それだけでは肥満の原因にはならないということです。

「乳製品」はいくら摂っても太らない

上記の説明でもありましたが、食べ物がすべてインスリンと関連している分かった後に、食べもの共通しているものが原因ではないかと考えるようになりました。それが、「カロリー」だったのです。

何度も言いますが、カロリーが太る原因ではなく、インスリンの分泌が原因です。なので、インスリンメカニズムを理解でき免疫学的な矛盾を理解しコントロールさえできれば、痩せることは可能なんです。

なので、今まで世間で言われてきた、「低脂質、低カロリー、高たんぱく質を意識したダイエット」を行ってもなかなか痩せられないという現象が起きていました。

そこで有名になったのが「パレオ式ダイエット」です。

パレオ式ダイエットとは?

簡単に言うと、原始人ダイエットとも呼ばれていて、旧石器時代に食べらていた食事をするダイエット法です。すべての加工食品、添加糖、穀物、植物油、甘いもの、アルコールは口にしません。

でも、果物、野菜、ナッツ類、種子類、スパイス、ハーブ、肉、魚介類、卵は食べてもいいです。たんぱく質や脂質の制限はしませんが、加工食品の摂取は制限します。以前の記事でも説明しましたが、加工こそが有害なものです。

ローカーボダイエットとは、そのままの食材をとりヘルシーなものを食べるというダイエットですが、これと違うのは、パレオ式は炭水化物の摂取も制限しないので、果物が食べられるという点です。

そしてふたつに共通するのが、「人間は肥満にも糖尿病にもならずに、様々な食べ物が食べられるはずである」という考えによって生み出されました。

食べ物は、お腹が空いたときだけ食べます。お腹が減っていないときは食べません。ここでの食べ物とは「加工されていない自然の食べ物」のことです。人間は昔からそうした食事を摂り、病気にならなかったという歴史があります。

これまで話してきましたように、加工されればされるほど、危険が増します。食事替わりになるプロテイン・バーやシェイク飲料は体に良くありません。

まとめ

最も効率よく体重を落としたいのならば、昔ながらの食事をすることです。ですが実際には、「草で育てた牛を食べ、有機栽培で育った果物を食べよう」というのは何とも非現実的に思えます。

現実的には加工食品を口にするなというのは無理があります。なぜなら、加工食品はおいしいし、安く手に入れられるからです。

人間は、歴史的みても太古の昔から、デトックスのための断食や身を清めたりするということを行ってきました。しかし、こうした戦略の多くは「古臭い」という理由からほとんどが、忘れ去られています。

体重を減らすにはどうすればよいかひも解いていくにつれ、古来の知恵がいかに役立つか。そして、「そのままの食品」が体にいい影響をもたらすということが分かってきました。

自然食品には「飽和脂肪酸」というものが含まれています。一見して、体に良くないと思われがちなものですが、そんなこともありません。次回からは、脂肪について解説していければと思います。

皆さんの人生が健康でより豊かになる役に立てれば幸いです。ご清聴ありがとうございました。

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